鼠径ヘルニアの治療~腹腔鏡手術①~|神戸・三宮でそけいヘルニア日帰り手術|神戸日帰り外科そけいヘルニアかずクリニック

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鼠径ヘルニアの治療~腹腔鏡手術①~

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こんにちは。神戸日帰り外科そけいヘルニアかずクリニック院長の藤木和也です。

前回の鼠径ヘルニア談義では「鼠径ヘルニアの治療~鼠径部切開法~」についてお伝えしました。
そのなかでご説明しましたように、鼠径部切開法とは、腹腔鏡を用いない鼠径ヘルニア手術のことでした。鼠径部切開法でも、自己組織で修復する「組織縫合法」や、メッシュを使用する「メッシュ法」、また、メッシュ法の中でも留置部位によって「Bilayer法」や「Lichtenstein法」など、さまざまな術式をご紹介しました。
今回は続きとなります、「鼠径ヘルニアの治療~腹腔鏡手術①~」についての内容となります。

腹腔鏡手術とは、腹腔鏡を用いた鼠径ヘルニア手術のことを指します。
一般的には、お臍と、約1cmの小切開を2か所、計3か所の傷にておこないます。
成人の腹腔鏡による鼠径ヘルニア手術は主に「TAPP」と「TEP」の2つに方法に分けられていますが、2つの違いを理解するためには、お腹の壁(腹壁)の構造を知る必要があります。

腹壁はかなり大雑把に説明しますと、5層で構成されており、外側(皮膚)から順に、
皮膚→皮下脂肪→筋肉→腹膜前脂肪(腹膜前腔)→腹膜 となっています。
腹膜の内側はお腹の中(腹腔内)となっており、お腹の中に、腸管や内臓脂肪と呼ばれる脂肪組織、その他の臓器があります。
TAPPとTEPはどの層からアプローチを行うかによって区別されています。

① TAPP(transabdominal preperitoneal repair:経腹的腹膜前修復法)
腹腔鏡を用いた腹腔内到達法による腹膜前修復法のことをいいます。お腹の中に到達後、鼠径部の腹膜を切開し、腹膜前腔にメッシュを留置する方法になります。腹膜前腔にてメッシュによる修復をおこなうため、腹膜前修復法と言われています。
全国的にこちらの術式を取り入れている病院が多く、腹腔鏡手術の約8割がこちらの術式となります。

② TEP(totally extraperitoneal repair:完全腹膜前修復法)
腹腔鏡を用いた腹膜前到達法による腹膜前修復法のことをいいます。こちらはお腹の中に入らず、腹膜前腔、もしくは筋実質と筋肉を包んでいる皮(後鞘)の間からアプローチをおこない、鼠径部に到達後、腹膜前腔にメッシュを留置する方法になります。すべて腹壁内でのスペースで操作をおこなうため、totallyとなっています。
当院で行っている術式がこちらになります。

次回はこれらの違いをもう少し詳しくお伝えします。

最後までお読みいただきありがとうございました。
みなさんにお楽しみいただけますことが、ブログ作成の励みになります。今後もぜひご覧ください。