Nuck管水腫|神戸・三宮でそけいヘルニア日帰り手術|神戸日帰り外科そけいヘルニアかずクリニック

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Nuck管水腫

Nuck管水腫|神戸・三宮でそけいヘルニア日帰り手術|神戸日帰り外科そけいヘルニアかずクリニック

こんにちは。神戸日帰り外科そけいヘルニアかずクリニック院長の藤木和也です。
今回は、女性特有の「Nuck管水腫」についてお話いたします。

「鼠径ヘルニアは中高年の男性に多い病気なのに、若い女性の私にも鼠径部の膨らみが見られます!」と心配しているあなた!それは、Nuck管水腫かもしれません。

Nuck管水腫とは、生まれてくる前のお腹の中にいた時期(胎生期)に子宮円索の形成に伴って鼠径管というトンネル構造の中へ腹膜が伸ばされたもの(Nuck管)が、本来閉鎖されるはずが閉鎖されずに遺残し、内部に液体が貯留した病態になります。
1691年にNuck(ヌック)という人物が最初に報告したため、Nuck管水腫と呼ばれています。
男性の場合は精索水腫に相当します。

冒頭の通り、鼠径ヘルニアは中高年の男性に多いのですが、Nuck管水腫は対照的に若い女性に多くみられます。いずれも鼠径部に膨らみがみられため、外見では区別はできません。エコー検査をすると、水腫という名前の通り、水の袋であるため、黒く映るのが特徴的です。

Nuck管水腫のみであれば緊急性はありませんが、自然に治るということはあまりなく、また、鼠径ヘルニアを併存していることが多いため、鼠径ヘルニアの治療と水腫を摘出する治療を一緒に行う場合がほとんどです。若い女性の手術となるため、メッシュが妊娠に悪影響を与えないか、との質問を受けることがありますが、悪影響であるというデータはみられておりません。

稀ではありますが、Nuck水腫の中に子宮内膜症を合併した「鼠径部子宮内膜症」が見られる場合があります。水腫の中に子宮内膜の成分が含まれますので、月経の周期で膨らみが大きくなったり、痛みが強くなったりすることが特徴的です。診断は、手術にて摘出した水腫の顕微鏡検査(病理検査)にて確定となり、子宮内膜症であれば、引き続き婦人科にて診察、治療を受けていただくことが望ましいです。

当院ではNuck管水腫に対し、「単孔式腹腔鏡手術」や「鼠径部切開法」を行っております。術式に関しましては診察時にご相談しております。気になる方はお気軽にご連絡ください。

なお、若い女性でも鼠径ヘルニアは発症してしまいます。Nuck管水腫ではなく、鼠径ヘルニアであったからといって、(年齢的な意味で)ショックは受けないでくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。
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